すやすやと眠る子供を抱き寄せる聖母マリア。現在でも世界中で貧困、争い、虐待といった悲しい出来事が止みません。真っ先にその犠牲となるのが何の罪もない子供達です。自身が母親になって、今まで以上に子供に関する日々の悲しいニュースに胸が痛むようになりました。生まれたばかりの子供たちは皆、無色透明で、何色にも染まっていません。善でも悪でもないのです。その子供達をどちらに向かわせるかは社会や大人達です。黒やモノトーンしか知らない子供が大人になれば、心はより悲しみや憎しみに溢れ現状は変わらず悪化してゆきます。それは誰も幸せにならず、誰も望んでいないと思うのです。現在、この瞬間から私達一人一人が責任を持ち、皆で地球の全ての子供達を育てる意識を持てたら未来は愛に溢れ、どんなに平和だろうかと私は想像します。地球に生まれたすべての子供達、生まれる事が出来なかった子供達、そして途中で命を亡くした子供達も、全て愛すべき存在です。そんな想いの中でこの絵が生まれました。自身の子供への想いも重ねながら描いた、聖母マリアは温かく、分け隔てなくすべての子供達に沢山の愛の光を惜しみなく注ぎます。泥の中に咲く蓮の花に、苦境の中でも自身を見失うことなく、真っすぐに、清く美しく逞しく成長してほしい。そんな想いが込められています。