キリンとヤクザとオラウータン


暑い暑い夏がやってきましたね。

オリンピック開幕前に、観られなかったNHKの大河ドラマ『いだてん』総集編を観たらとてつもなく面白く沢山感動しました。フルで全話観たらもっと面白かっただろうなぁと後悔するくらい面白かったです。57年前のオリンピックの感動を味わい、そして政治利用はたまた政府が介入する前のオリンピック、その後から現在の流れを知ることも出来て、オリンピックを最初に始めた人たちは本当に、純粋にスポーツが好きでキラキラとしていたのだなぁと、改めて宮藤官九郎さんの脚本を始め、豪華キャストの演技でオリンピックを楽しむことができました。


さて、先日動物園でキリンを見ました。キリンをみて毎回思い出すのはヤクザの息子さん。


私が名古屋に住んでいた頃、もう18年も前に働いていたバイカーさん達が主にやってくるシルバーアクセサリーのお店にいつも来ていたヤクザのお客様。


店主の沖さんのキャラもさることながら毎回個性的なお客様が、やってきて本当に面白い時間でした。そのお店は場所を変えて今も健在です。>> (今はインディアンゴーストらしい。。)


刺青だらけのヤクザの息子さん。ヤクザだったようにも思うけれどとりあえずヤクザの息子さんにしておく。

ヤクザの息子さんとはいえ、威圧してくるわけではなく、ごくごく一般のお客様として来られるし、こちらも一般のお客様と同じように接客していた。

沖さんにオーダーをお願いしにくるも、沖さんは個人的にイケメンはそれだけで十分と思っているらしく(ちょっと嫉妬まじり笑)なかなか創らないので、私に直接オーダーしに来たり。当時独学で始めた沖さんなので、業務としての創作はできず、私がほぼ全て創っていたから、かなり実践で鍛えられた。

近所なのもあって、何かしら用事を見つけてちょいちょい顔出しに来ていた。沖さんがいない時は、私が接客するのだけど、特に先入観もなく普通に話が出来、聴けるのが私自身不思議であり、どうやら特技でもあるらしい。


ナイスバディの彼女を連れてきて結婚すると報告をしにきてくれた時もあっけれど、結局結婚はせず、その女の人が数か月後、他のお客様とご来店した時はぎょっとした。。笑

ある日、ヤクザ同士なのか、何だったか忘れたけれど、酷い喧嘩をして顔がボコボコになって腕も骨折して訪ねて来た時があった。私は8つか9つも年下なのに、もう喧嘩はやめなさいと叱ってみたり。当時まだ若いとはいえ、お客様なのに失礼極まりない(笑)

とはいえ、弱音みたいなもののはけ口になってくれたようで、色々と話すことで内心傷ついた心を癒しに来ていたようだった。

話を聴いているとき一番心に残ったのが、本当はキリンを見るのが一番好きで癒される。何時間でもずーっと見ていられると言っていたこと。


そんな彼は何ともピュアで、普通の男の人よりも繊細な方に入る人のように感じた。

見た目はいかついのに、素面では告白も出来ず、お酒を飲まないと告白すらできないのにも驚いた。在日朝鮮人で、差別にもあったようだったし、お母さんがお水をしていてその流れで、ヤクザの息子になって、オラオラと取り立てまわっているのだ。お金には困っていないし、ここまでくると真っ当な道はなかなか選べない。

ただ、本当は喧嘩もしたくないし、普通の人生を生きれるものなら生きたかったというのが、何となくわかった。


あぁこの人は、環境によってあれよあれよとヤクザの息子になっただけで、それ以外は普通の男の人なんだなぁと知って、少し同情し、同時に考えさせられた。


置かれた環境がその人の人生や人間性を創り、自分の意志と混同しながらその先の道を決めていく。


その後、櫻は不景気のあおりで一旦廃業する事になったので、私も直ぐにお店を辞める事になって、挨拶もできないままにヤクザの息子さんとは会うことはなく、ヤクザの息子さんも東京へ行ったらしかったけれど、18年経った今もキリンを見ると私は何故だかこのヤクザの息子さんのことを思い出す。

櫻で過ごした約2年間は短いものだったけれど出会うお客様皆、ストーリーがあって本当に内容の濃い時間だったなと改めて思います。今でもそして今後もきっと懐かしい思い出として心に残るのだと。

不思議なのは、一見、強面だったり、個性的な人達ばかりなのに、皆優しく、いいお客様だった。


そんな随分昔のお話。



さて、ついでに動物園で初めて見たオラウータン。

何とも穏やかで愛らしい子で、なんとも癒されました🌱



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